日時 6月19日(日)10:30〜16:30
会場 竹中大工道具館 木工室
講師 須田賢司(木工藝家)

企画展「清雅を標に」を記念して、須田賢司氏によるワークショップが開催されました。

今回のワークショップは、松江藩の名工・小林如泥(1753-1813)の伝説「一滴も漏らない酒器」の逸話から、須田氏がその技法を考証した組み立て式の「五勺枡(ごしゃくます)」を、参加者にも作っていただくという高難度な内容。多くのご応募がありましたが、木工を職業とされている方など専門家に限定させていただきました。 087_01_8023
最初のレクチャーでは、小林如泥の伝説にもとづいて試作された枡についてお話いただきました。 087_02_8151
これが、今回つくる枡の見本。6㎝角の小さなサイズで、内ホゾと小穴の仕口で組み立てられています。 087_03_8154
次に、仕口の刻み方や制作のコツなど具体的に解説いただきました。 087_04_8032
枡の材料はフランス産のシカモアメープル。日本の楓よりは軟らかく、白く絹のような光沢と抜群の安定性が特長で、ヴァイオリンの背板で有名な材料です。
一枚の板から側板4枚と底板1枚を鋸で切り取ります。
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次に仕口を刻んでいきます。今回、参加者の皆さんにはご自身の道具を持参いただきました。お互いの道具も気になりますね。 087_06_8101
側板の内ホゾ仕口は最大の難所。ここを丁寧に彫らなければ、一滴も漏らない枡はできません。 087_07_8104
実演の様子。若くして人間国宝に認定された須田氏の技を、全員が息をのんで見守っています。また工夫された数々の道具をご披露いただきました。 087_08_8113
枡を手に談笑される須田先生。当日に完成した方は少数でしたので、各自ご自宅へ持ち帰り、作業された事と思います。皆さん、一滴も漏らない枡は完成しましたか?

 

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今回は実演だけでなく、木工家どうしが一緒に作品をつくり、
道具を見たりできる貴重な交流の機会となりました。
遠方から重い道具を持ってきて下さった参加者の皆さん、ご苦労様でした。
須田先生、ありがとうございました!

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