日時 ①2016年6月3日(金) 14:00〜15:00 |
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「清雅を標に-人間国宝 須田賢司の木工藝-」展の記念イベントとして、6月3日(金)・6月17日(金)に「人間国宝 須田賢司によるギャラリートーク」を開催しました。 | |
まずは今回の目玉展示「東方日出」の解説です。左右二つの抽斗(ひきだし)箱をくの字に連結した小箪笥で、外側はヴァイオリンの背板として有名なフランス産のシカモアメープル材で、縞状に入った縮杢、両サイドは同じ楓の仲間のカナダ産の鳥眼杢の材を用いて変化をつけているとのことでした。形はあえて非対称にしているそうです。 | |
続いて、中央に展示している長いクラロ・ウォールナットのテーブル「石橋(しゃっきょう)」。 脚の構造から橋を連想し、菩薩の浄土に続くといわれる「石橋」と名づけたとのことです。 クラロ・ウォールナットはカリフォルニアで食用のために植えられた胡桃の木の一種で、今では入手困難な材となりましたが、このテーブル材は須田氏が30代の頃に手に入れた巨木な丸太から作ったそうです。 |
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指物師三代のコーナーです。須田氏の祖父・須田桑月(そうげつ)作の「御蔵島桑六角厨子」、父・須田桑翠(そうすい)作「槐春日型厨子」、そして須田氏作「黄檗拭漆春日型仏壇」が並んでいます。作品の造形とともに、銘木と言われている御蔵島(みくらじま)の桑についての説明がありました。 | |
ここからは竹中大工道具館ならではのコーナー。指物で用いる木・仕上げの材料・道具・仕口技法などを紹介した制作の裏舞台です。 まずは須田氏の仕事に使う様々な木について、21種類の樹種サンプルと貴重な原木を見ながら解説していただきました。 |
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続いて、道具、仕上げの材料です。木賊(とくさ)と椋(むく)の葉は古くから研磨材料で、サンドペーパーが普及した現代でも、木工藝ではまだ現役だそうです。また普段あまりみることがない桑の煮汁をはじめ、貝や染角などの象嵌材料をどのように作っているのか説明していただきました。 | |
そして、木工藝術で使う部材の組み方(仕口)についてです。 指物の最も基本的な仕口は「内枘(うちほぞ)」と呼ばれる「留型隠蟻接(とめがたかくしありつぎ)」。一方、複雑な「水組(みずぐみ)」は組んだ形が水という字に見えるので、長火鉢の組手などに使われる組み方だそうです。 |
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1時間ほどの解説で、人間国宝のお話を直接聞ける貴重な機会となりました。 |
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