オープニングイベント「若手職人によるオブジェ公開制作」 |
① 「+-one(プラス・マイナス・ワン)香りの世」 ・・・B1F中庭 |
まず最初に木枠を組み、枠の中へ相良さんが茅(葦)を段々に詰めていきます。このような茅の使用例は他にはなく、相良さんも初挑戦だそうです。 |
茅を真っ直ぐに刈りそろえた頃に、左官工事が始まりました。まず木枠の外側に下地を作り、その上にセメント、白漆喰を塗り重ねていきます。仕上げは雪をイメージして上品な白色に。寒い冬は塗った土が乾く過程で白っぽくなる「白華(はっか)」という現象が起こるため、白色にしたそうです。 |
最後は山口さん率いる庭師の出番です。松竹梅と茶に関連する植物(梅、リョウブ、クマザサ、オカメザサ、松、チャノキ)が配置され、苔を敷きます。 |
シンプルな茅と土のオブジェが植物に引き立てられ、敷瓦と土壁の中庭が、いつもとは一味違う風情のある空間になりました。 |
②「LENS」 ・・・1Fテラス |
あらかじめ作っておいた竹編みの下地をどんと据え、外側に茅を葺いていきます。球体の茅葺きは日本にはなく、もちろん相良さんも初の試み。葺き納め(てっぺん)は可愛らしいとんがり頭に。でもこのままでは雨が漏ってしまうため、てっぺんの仕上げを左官の都倉さんに託すことに。 |
下地の内側に、都倉さんが土を塗り重ねます。 |
土台と床も左官の仕事。丁寧に塗っていきます。 |
頭のデザインが納得いかず何度も塗り直していた都倉さん、最後は一気にドングリのような段々に仕上げました。 |
庭石にたたえられた水が景色を映し、見る角度によって、また時間によっても表情が変わります。山口さん曰く、水はレンズに入ってくるいろんな光や風景を表しているそうです。 |
今回のオブジェ制作、見ている側も楽しかったのですが、職人さん達ご自身が一番楽しんでいらっしゃったように思います。職人さん同士が技を競いあう姿、新しい事に挑戦する姿、悩んだりする姿に「日本の面影」を見た気がします。日本の伝統文化もきっとこんな風にして作られてきたのでしょう。
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