斧[ono]
おの
おの
古来、人々は、神は山に降りると信じていました。杣人にとって山は神が領有する聖域であり、そこに踏み込むには厳重な物忌みに服す必要がありました。伊勢神宮の遷宮のときに、用材を伐り出す時には、いろいろの神事が行われるなかで、斎斧が最初にうたれるといいます。また諏訪大社の御柱祭りでは、御柱を伐り出すときには朱塗りの神斧が使われるといいます。斧や鉞には魔性を断ち切る意味もこめられます。仏教では鉞斧(えっぷ/おっぷ)とよばれ、菩薩像が手にしているのを見ることができます。修験道では、山伏が山に修行に入る時の法具の一つとされています。