実演 棟梁が語る日本建築の技
日時:2月15日(日)13:30〜15:00
場所:トヨタ産業技術記念館ホールA
講師:小川三夫氏(鵤工舎)
東京、神戸、名古屋と巡回した本展覧会の最後の記念イベントとして、堂宮大工・小川三夫棟梁を講師として迎え、トヨタ産業技術記念館で実演「棟梁が語る日本建築の技」を開催しました。堂宮大工の技を間近にみることができる貴重な機会とあって、当日は260名ものたくさんのお客様に来場いただきました。
はじめに、現在進行中の本堂新築工事を事例として、日本建築の大きな屋根を支える構造の仕組みや美しさの特色を、1/20構造模型を用いて解説されました。寺院の本堂を建てるために、膨大な木材や職人の仕事が必要なこと、大きな部材を運び、組み立てる工夫もお話しされました。
次に、1/2の部材模型を用いて、深い軒を支える「組物」を組み上げる実演です。ダボという接合部材を用いて、しなやかに積み上がる組物は、地震のゆれにも柔軟に動くことで、強い構造ができていることを解説されました。
それぞれの部材の形の意味や工夫など、来場のお客様からの質問にも次々に答えていただきながら、20分ほどで組み上げ終了です。目の前で組物ができあがっていく、貴重な実演となりました。
次に丸鉋やチョウナ、ヤリガンナなどの道具を用いて、丸柱や肘木、斗など堂宮大工特有な刻み、仕上げの実演です。普段みることの少ない堂宮大工の道具、独特な曲線をうみだす技に、来場の皆様も感嘆されていました。
最後の実演は、台鉋を使った削りです。スギやヒノキ、ヒバなどの香りの違いとともに、日本建築の繊細な仕上げの技をご覧頂きました。ご来場の皆様、そして実演いただいた小川三夫棟梁と鵤工舎の皆様、ありがとうございました。
展覧会「日中韓 棟梁の技と心」はトヨタ産業技術記念館にて、3月1日(日)まで開催しています。小川三夫棟梁の大工道具や製作模型をご覧いただける本展最後の機会です。是非、ご覧ください。
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