講演会 官式古建築営造技芸-紫禁城をまもる-

講師 李永革(中国)

日時 10月10日(金)18:00~20:00

会場 竹中工務店東京本店2F・ABホール

中国の棟梁・李永革氏を招いて、講演会を開催しました。参加者は約60名。先日行われた韓国の棟梁・申鷹秀氏の講演会に参加された方もおられたようです。

李氏は故宮博物院で紫禁城の建物の修繕を手掛けてこられました。この日の講演では、現場の写真を多く交えて、工事に関わる職種や技術について解説されました。

最初に、手掛けてこられた修理・再建工事の概要が紹介されました。広大な紫禁城の数多くの建物を修理していくのは大変な仕事だと改めて感じさせられます。

続いて、造営工事で使われる建築技術の紹介。スライドは屋根の桁の製材方法です。このほかにも、建物の造営に関してはさまざまな決まりがありました。かつては文字の読めない大工もいたため、決まりは口伝としてまとめられていて、それを知らないと仕事にならなかったといいます。

続いて大工以外の諸職の仕事が紹介されました。瓦・石・彩色など、それぞれに専門の職人がいて、彼らの協力なくして工事はできません。展覧会では紹介できなかった、貴重な内容です。

最後に質疑応答。紫禁城の彩色の詳細や弟子の育成方法など、さまざまな質問がありました。

 

神戸では日中韓の三人の棟梁が一同に会してシンポジウムが開かれます。本日の報告をふまえて、さらに三ヶ国の共通点や違いが明らかになることと思いますので、どうぞご期待ください。

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