実演 中国故宮に伝わる棟梁の技

講師 李永革(中国)

日時 10月11日(土)14:00~15:30

会場 竹中工務店東京本店1F

 

中国の棟梁・李永革氏を招いて実演イベントを開催しました。前日の講演会は概要のみの紹介だった中国の建築技術について、実演ではより具体的に説明されます。

まず、展示している紫禁城太和殿の部分模型を使って、太和殿の技術的特徴や、みどころについて解説されました。

李氏が手にしているのは門尺。吉凶を測る定規です。紫禁城の建物では、さまざまな部位の寸法が吉になるようにつくられているといいます。

続いて、いよいよ道具を使った実演です。まずは隅の垂木を作る技術について紹介します。板状の材の表裏に書かれた墨線に合わせて鋸で斜めに切ることで、少しずつ角度の異なる部材が効率的にできあがっていきます。今回は小さな模型で再現。表裏の墨線を確認するために、枠鋸を二人で使います。棟梁と参加者の共同作業です。

次に、「抽板」という板を使った墨付けの実演。手前の丸柱にあけたホゾ穴の大きさや深さを長さ30㎝ほどの板に写し取り、それを用いて奥に見える角材に墨付けします。部材の形や大きさが一定でなかった時代に使われていた、今では珍しい技術です。

最後に中国の鉋。李氏の実演のあと、参加者も体験してみます。日本と違って押して使うため、勝手がずいぶん違うようです。

 

李氏による実演イベントは神戸でも開催されます。今度は一日で中国・韓国の技を比べてみることができるという貴重な機会です。

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