みどころ

オープニングイベント「堂宮大工の技-唐招提寺金堂の斗栱を組む-」


日時:2010年11月20日(土)10:00ー12:00、13:30ー16:00
場所:産業技術記念館エントランスホール(名古屋市西区)
実演:鵤工舎、北村智則(当館技能員)
名古屋会場では目玉展示である唐招提寺金堂の斗栱(ときょう)模型の組み立てをオープニングイベントとして公開しました。その様子をお伝えします。
今回、実演していただくのは鵤工舎の小川量市棟梁をはじめ4名の大工の皆さんならびに当館の北村技能員の計5名です。北村技能員も鵤工舎出身ですので、新旧スタッフの力を合わせてのイベントとなりました。
写真は柱の上に頭貫(かしらぬき)を取り付けている様子です。後ろに見える鉄骨は構造材である尾垂木の尻を支えるためのものです。
なおこの模型はヤリガンナという古代に使われていた道具で仕上げられています。展示会場内には西岡常一棟梁が使用したヤリガンナも展示していますので興味のある方はぜひ会場もあわせてご覧ください。

2段目の肘木(ひじき)まで組みあがったところです。写真では隠れていますが、後方に入る虹梁(こうりょう)と肘木の継手(つぎて)にシャチ栓を入れているところです。
この継手や仕口がしっかりしていないと大きな建築を建てることができません。

この模型の中ではもっとも大きな尾垂木という斜め材を組み上げる様子です。かなりの重量物ですが、人力で持ち上げます。見ている観客の皆さんも手に汗握るシーンでした。堂宮大工は大きな木材を扱うということがよく実感できます。

午前中で最上部の桁まで組みあがりました。当日は20名近くの観客が入れ替わり立ち替わりご覧になりました。普段見ることのできない大工仕事に興味津々のようでした。また会場では当館の研究員が初学者向けにどのような作業をしているかについて解説を行いました。

軒まで組んで完成した模型の姿です。名古屋会場は天井からワイヤーを吊ることができましたので、目障りなつっかえ棒をはずすことができました。軒まで含めた模型の全容をご覧いただけるのはこの名古屋会場だけです。
ぜひともこの機会にご覧ください!
※模型展示は12月26日までです。なお写真には写っていませんが、期間中はミニDVDで組み立ての様子を記録した映像を模型の前でご覧になることができます。

公開で模型を組むというのは当館初めての試み。事故もなく無事終了し安堵しました。ご協力いただいた鵤工舎の皆様どうもありがとうございました。せっかくの機会を見逃したという方、木組みの技ではありませんが、実演・体験教室でヤリガンナ削りの技をご覧になることができます。こちらのイベントもぜひご参加ください。
写真撮影/畑拓

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