みどころ

記念シンポジウム「西岡常一棟梁が残したもの」


日時:2010年7月16日(金)18:00ー19:30
場所:竹中工務店東京本店2階 ABホール
パネリスト:小川三夫(鵤工舎前舎主)
      建部清哲((株)建部代表取締役)
      菊池恭二(社寺工舎代表)
総合司会: 谷直樹(大阪市立大学 大学院教授)
西岡常一棟梁の教えを受けて活躍されている3名の堂宮棟梁に、入門の経緯や修業のこと、西岡棟梁との思い出、そしてその影響を受けて自らがどのように仕事をしているか、今後の堂宮大工はどうあるべきかについて、お話しいただきました。その様子をフォトレポートでお伝えします。
開始1時間前には受付に長蛇の列が・・・。このほかにも展示会場にも多くの方々がおられました。パネリストの知名度の高さがうかがえます。

入場者は公式カウントで380人!でした。200人用の会場でしたので、後列は机を外し、追加のイスも多く用意しましたが、いたしかたなく立見の方もおられたようです。申し訳ございませんでした。

シンポジウムの様子です。スクリーンには西岡棟梁の手掛けた作品や思い出の写真を上映しました。

司会の大阪市立大学教授の谷直樹先生です。このイベントの2週間前にも「信長・秀吉・家康の大工棟梁」というテーマで講演をされたばかりですが、今回は司会をお願いさせていただきました。
各パネリストの思い出話を引き出しつつ、自らの大学での教育論の話を引き合いに出しながら、うまく論点をまとめておられました。

岩手県遠野市を拠点に活躍されている菊池恭二棟梁。3人のパネリストの中では最もお若い方です。最近はテレビ出演や『宮大工の人育て』という本を出版されるなど活躍されています。
薬師寺の現場でのお茶だしの話を始め、西岡棟梁の指導と、その教えを現在の仕事に生かしている様を熱く語られました。

滋賀県を中心に活動されている建部清哲棟梁。最近は映画「火天の城」に協力されるなど活躍されています。
建部棟梁は30歳近くで西岡棟梁の教えを請い、墨付けや規矩で苦労されたこと、その時の西岡棟梁の指導方法などについて、独特の間合いでおもしろくお話になりました。

西岡棟梁の唯一の内弟子で、若手の堂宮大工集団・鵤工舎を率いる小川三夫棟梁。多くの著書があり、また今回の展示でも大変協力していただきました。年に何度も講演をされていることもあり、慣れた口調で、思い出話をされました。とりわけ西岡棟梁が怒ったときの話では会場内は爆笑で包まれました。また最後は棟梁ということは「全責任を負う」ことだ、と述べシンポジウムを締めくくられました。

シンポジウムの終わりには、同じく西岡棟梁の教えを受け、福井で活躍されている直井光男棟梁が登壇され、西岡棟梁に書いていただいた「道具にあらず、神器なり」という巻物を紹介していただきました。

パネリストの皆様は、お話しがとても上手で、会場はなんども笑いに包まれていました。著書などには書かれていないエピソードなどもあり、90分では話し足りない内容でした。会場内、混み合いまして失礼いたしましたが、大変多くの方々にお集まりいただき、ありがとうございました。
写真撮影/光齋昇馬

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