日時:2011年9月9日(金)18:00-19:45
場所:竹中工務店東京本店2階 ABホール
内容:
第一部「職人に聞く茅葺きの技」
[語り手]廣山美佐雄(茅葺き職人)、[聞き手]上野弥智代(日本茅葺き文化協会理事)
第二部「里山に学ぶ−草と木でつくる屋根−」
[講師]安藤邦廣(筑波大学教授・建築家)
企画展[葺く-草と木でつくる屋根-]を記念して、講演会が開催されました。
第一部「職人に聞く茅葺きの技」の講師は、茅葺き職人の廣山美佐雄さん(語り手)と、日本茅葺き文化協会の上野弥智代さん(聞き手)です。茅葺きに携わられて50年以上の廣山さんから、筑波茅手として取り組んでこられた今までのご経歴と、筑波の茅葺きの材料・道具・技についてお聞きしました。
廣山さん率いる茨城の職人さん達に製作していただいた、企画展会場の茅葺き屋根について、解説していただきました。筑波流の屋根は棟の小口(キリトビ)の装飾が素晴らしく、職人の腕の見せ所です。この「寿」の字は、ハサミで切り込んだ上から墨を入れているとのこと。古い茅葺き民家のキリトビは、鶴、松竹梅、水に亀、など様々な種類がみられるそうです。
第二部の講師は、筑波大学教授であり建築家としてもご活躍中の安藤邦廣先生です。先生は茅葺き屋根研究の第一人者であるほか、木造住宅の研究・設計など幅広い活動をされています。
茅葺きをはじめとした草木でつくる屋根の種類と歴史、材料の特徴、世界の屋根など、とても幅広く聞きごたえのあるお話でした。最後に、被災地の仮設住宅へ断熱材として茅を利用するという、現在の取り組みについてお話され、講演を締めくくられました。
企画展会場の様子です。多くの方々にご来場いただき、ありがとうございました。
写真撮影:光齋昇馬