見どころ

第1章 茶室解体新書

繊細で華奢なつくりの数寄屋建築には一体どのような工夫が隠されているのでしょうか。本展覧会のために特別に製作した実物大の茶室構造模型、あるいは各種の部分模型を通して、数寄屋大工の技を解説します。

実物大茶室構造模型(外観・内観) 〔安井杢工務店製作〕
壁を取り払った実物大の模型。靴を脱いで中に入り、つぶさに構造や技術を
確認することができます。大徳寺玉林院蓑庵(重要文化財)がモデルです。
茶室起し絵図各種 丸太墨付け模型 根石と柱のひかりつけ模型
丸太仕口模型(捻組) おさ定規と口引 桂の棟梁(川上英男)の道具

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第2章 数寄のディティール

 数寄屋の細部意匠には、選りすぐられた素材、それらを選別する棟梁の美意識、あるいは材料を丁寧かつ微細に加工する職人技など、日本の匠の技と知恵が集約されています。ここでは銘木、建具、表具、畳などについて、その素材と製作技術を紹介します。

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数寄屋仕事に用いられる丸太・健具の展示
透かし欄間型紙 透かし欄間下絵 表具の道具
襖に見られる引手金具 様々な引手のデザイン 畳を製作する道具

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第3章 数寄屋大工列伝

 明治から昭和にかけて活躍した名工の作品・遺品を紹介します。取り上げるのは木村清兵衛、笛吹嘉一郎、中村外二、平田雅哉、水澤文次郎など名だたる棟梁たちです。図書や建築作品でその名を知っていても、棟梁の精神を感じ取ることが出来る実物資料を目にする機会はほとんどありません。今回の展示は、それらに触れることができる特別な機会となります。

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数寄屋仕事の名工たち
墨壺 竹花入「棟梁」 茶道具
中村外二の大工道具 平田雅哉の自刻像 不審菴東京出張所設計図

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シアターコーナー

 伝統の美意識や技を伝えるには、資料の展示とあわせて映像作品でイメージを伝える手法が効果的です。本展では数寄屋師の仕事を紹介する映像作品「数寄屋大工-美を創造する匠-」と、数寄屋には欠かすことのできない北山杉の育成過程を紹介する作品「京都・北山杉を育てる」を上映します。

数寄屋大工−美を創造する匠− (20分、制作2012年)
今回の展示に合わせて新たに数寄屋大工の仕事を紹介する映像資料を制作しました。
京都・北山杉を育てる (28分、制作2006年)
床の間の柱などで知られる美しい木肌をもった北山杉。その育成の様子を使われる道具とともに紹介します。

図録

会場にて、図録を販売しております。 <500円/1部・A4サイズ・90ページ>
郵送による販売も承っております。詳細はこちら

<目次>
ごあいさつ
数寄屋大工が歩んできた道│中村 昌生
数寄屋の空間デザイン│日向 進
数寄屋小史
茶の湯の広がりと数寄屋建築の展開│桐浴 邦夫

第1章 茶室解体新書 〜数寄屋建築のつくり方〜
 数寄屋大工の世界/数寄屋大工の技/道具/茶室の木組み

第2章 数寄のディテール 〜繊細なるテクノロジー〜
 丸太/天井材/竹/名栗/土壁
 建具/表具/金具/畳
〔コラム〕
 北山杉を育てる
 下地窓
 欄間のデザイン 笛吹嘉一郎の作品から│松本 康隆
 唐紙 伝統美の世界

第3章 数寄屋大工列伝 〜名工が残したもの〜
 木村 清兵衛/北村 捨次郎/北村 伝兵衛
 笛吹 嘉一郎/中村 外二/平田 雅哉
 水澤 文次郎/そのほかの匠たち
〔コラム〕
 近代における数寄屋の展開と大工│桐浴 邦夫
 数寄屋大工と図面│松本 康隆
 近代数寄屋建築を次世代へ│今里 隆 映像作品

開催概要
参考文献

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