フォトレポート

オープニングイベント「数寄屋大工の技に迫る」(実演)


日時 10月6日(土)13:30~15:00
場所 ひょうご共済会館
実演 (株)安井杢工務店


爽やかな秋晴れの一日、オープニングイベント「数寄屋大工の技に迫る」がひょうご共済会館にて行われました。約90名ものお客様に、ご来場いただきました。

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講師は安井杢工務店の齋藤光義棟梁と大工の勝部さん、遠藤さんです。
元禄年間以前より代々山城国の大工であった安井杢工務店では、桂離宮の修理や京都迎賓館の建築など、京都を中心に数々の著名な数寄屋建築を手掛けています。

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解説される齋藤光義棟梁。棟梁には10月21日開催の講演会「数寄の匠 技を語る」にもご出演いただきます。
実演では、数寄屋展の目玉展示である大徳寺玉林院蓑庵(さあん)をモデルとした茶室構造模型の庇部分を例に、丸太の墨付けを行い、柱・桁・庇を実際に組んでいきました。

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最初は、桁となる丸太の墨付けです。自然のままの丸太に水平の基準線を打つ、という数寄屋大工ならではの技。墨を打つ緊張の一瞬を、お客さん達も思わず息を飲んで見守りました。
墨付けの技術を習得するには7年ほどかかるそうですが、刻む人の気持ちを理解してもらうために、なるべく早くチャレンジしてもらうそうです。

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口引と呼ばれる道具で「ひかりつけ」を行い、ノミで丁寧に刻んで、丸太同士をピッタリと組み合わせます。

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庇の垂木と小舞を水につけてやわらかくした藤ヅルで編んで固定します。ツルは乾燥させるとしっかりと締まるそうです。

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こちらは、天井の網代編み。黒部杉のヘギ板を使用し、矢羽根の技法で編んでいます。ご来場された方にも体験していただきました。

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下地窓のツル編みを一般の方にも体験していただきました。先ほどの庇と同じく、濡らした藤ヅルを使用します。
窓の表裏から二人で編むことによって、ツルがしっかりと締まり、壁土の食い付きが良くなるそうです。
「茶室は、建物を熟知した大工が最後に遊びでつくるもの」。最後に、職人さんがおっしゃった言葉が印象的でした。 安井杢工務店の皆様、ご協力いただきありがとうございました。
同様の実演・体験イベントは名古屋会場(11月23日)でも開催を予定しています。詳細はイベントページをご覧下さい。

写真撮影/市川治澄

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