フォトレポート

フォトレポート 見学会「如庵と暫遊荘」


日時 12月8日(土)12:45〜17:00
場所 有楽苑、暫遊荘(愛知県犬山市)
講師 中村昌生氏(京都工芸繊維大学名誉教授)
協力 名鉄犬山ホテル有楽苑、株式会社ヤマザキマザック

名古屋会場の記念見学会は低気圧の影響で北風が吹き付けるなかでの開催となりました。今回は貴重な建物の内部を見学できることと、数寄屋の第一人者中村昌生先生の解説ということで、全国から多数の応募があり、当選された30名の方が参加されました。

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まずは国宝の茶室として有名な如庵の見学から始まりです。織田有楽斎が晩年を過ごした旧正伝院書院(重要文化財)にて、講師の中村先生より、有楽斎の人物像、堀口捨己による移築の経緯などについて解説がありました。このあと各グループに分かれ、如庵の内部を見学。有楽斎の創意による斬新なデザインを間近で見ることができ、皆さん感動されておられました。

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茶室のあとは庭園を廻り、外部から如庵を見学しました。また庭園内に復元された大阪天満屋敷の茶室「元庵」を見学しました。庭園は有楽苑の職員の方にご案内いただきました。とても寒い中詳しい解説ありがとうございました。

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続いて、バスで移動後、名古屋における数寄屋造りの最高峰と言われる暫遊荘の見学です。名古屋の商家高松家が明治から大正にかけて営んだ邸宅ですが、80年代に取り壊しの危機にあったところを当時の株式会社ヤマザキマザック・山崎照幸社長が引き取られて、同社の迎賓施設として再生されました。

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まず大広間にて中村先生より、造営に携わった茶匠や数寄屋大工の創意について概説がありました。この後、グループに分かれて茶室や10室もある座敷を回りました。

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各部屋ごとに異なる意匠がほどこされており、数寄屋博物館といっても過言ではない建物です。如庵とは違った華麗なる数寄屋の世界に、参加者から「素晴らしい」「美しい」の声が出ていました。

最後に、中村先生より現在の住宅文化の貧困を嘆く言葉と、この素晴らしい数寄屋の世界をぜひとも後世に伝えてもらいたいというお話しをうかがい閉会となりました。

二つの名建築を通して、創意にあふれた素晴らしい数寄屋の世界を十分味わっていただけたのではないかと思います。当日は寒い中長時間にわたり何度もご解説いただいた中村昌生先生、ならびにご対応いただいた有楽苑、ヤマザキマザック社の皆様、ありがとうございました。

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