「茅を葺いてみよう」体験教室レポート

日時:2011年10月30日(日)10:00-15:00
場所:竹中大工道具館別館 屋外駐車場
講師:塩澤実(茅葺屋)、古民家族(武庫川女子大学)
参加人数:16名

企画展「葺く-草と木でつくる屋根-」神戸会場の開催を記念して、茅葺き体験教室が開催されました。10月16日の講演会講師でもある茅葺職人の塩澤実さんと武庫川女子大学のサークル「古民家族」の皆さんを講師としてお迎えしました。

今回教えていただく茅葺きは、かつて農作物の小屋などに用いられていた「苫(とま)葺き」の技法です。この苫葺きを家の屋根ではなく、道具館別館のベランダに葺いてみます。雨は通さず通気性に富み、心地よい木陰をつくってくれる茅葺きですが、現代の都会の人にはあまり馴染みがありません。今回は、都会でも茅葺きを身近に取り入れてみませんか、という提案です。

こちらは、縄結びの講習です。東京の体験教室でも教えていただいた「男結び」。茅葺きの基本なんですね。

稲わらを少量ずつ編んで、パネル状にします。これが「苫編み」と呼ばれるものです。苫(とま)という言葉の歴史は古く、万葉集にも詠われています。「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」(天智天皇)

苫編みを、竹の枠に男結びで取り付けます。左は、講師の塩澤さんです。

皆でつくった茅のパネルを2階へ引き上げる様子です。このあと、職人さんが窓に取り付けてくださいました。

ベランダに、出窓の付いた苫葺きの完成です!特に日差しの強い夏場、快適に過ごせそうですね。

苫葺きの裏側は、苫葺きパネルを縦横に並べ、竹の骨組みに縄で結び付けた構造になっています。

この日は雨が心配されましたが、なんとか終了までもってくれました。ご参加いただいた皆様、そして講師の皆様、どうもありがとうございました。



この日完成した苫葺きは、「葺く展」開催期間中、竹中大工道具館の別館前に展示されています。たくさんの方にご覧頂きたいと思っておりますので、ぜひご来場ください。

△ページのトップへ