玄能は、主に鑿や釘を叩く際に使用します。両小口に同じ大きさの面を持つ両口玄能のほか、頭部の片側が尖り、小さな面となる舟手玄能、片口玄能などがあります。

両口玄能の小口は、片方は平らで、もう一方はやや膨らみがあります。鑿叩きや釘打ちには平らな面を使用します。膨らみのある面は木殺し面といい、木材の表面の叩きしめに使用します。柱などの取付けや、鑿柄の冠(かつら)のはめ込みは、木を叩きしめ、わずか隙間を作ることによって容易になります。また、釘打ちで最後に釘を材にしずめる時も、小口の角で材の表面を傷つけないように木殺し面で行います。

玄能の大きさは、重量で表されます。現在でも、匁に対応した重さで作られます。主として荒仕事に使用する玄能は、100匁(375g)です。柄には、主にカシを使用します。 金槌は、釘を打つ時に使用します。先切金槌の他に、下腹金槌や、順の四分一金槌などがあります。下腹金槌は、頭部が短く作られていて、隅などの狭い部分に釘を打つ時などに使用します。

 
  • ※ 本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第6号-槌・斧・釿・その他の道具篇-』の解説を抜粋したものです。
  • ※ 品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。

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