1.本叩き
ほんたたき

穂先の厚みは厚く、穂先・首の長さは長く全体に頑丈に作られている。首の長さは2寸〜2寸5分である。構造材にいろいろな穴を掘るなど、荒仕事に使用する。刃幅は1分〜1寸が普通。

2.広鑿
ひろのみ

本叩きと同種で、刃幅が1寸2分以上のものをいう。穂先の厚みはやや薄い(中薄型)。構造材の繊維に平行な面を削る時などに使用する。刃幅は1寸2分〜2寸が普通。

3.中薄鑿
ちゅううすのみ

本叩きと同種で、穂先の厚みがやや薄いものをいう。使用法は本叩きと同じである。刃幅は1分〜2寸が普通(1寸2分以上は広鑿)。

4.中叩鑿
ちゅうたたきのみ

中薄鑿と大入鑿の中間の鑿である。穂先の厚みは中薄型よりやや薄く、穂先・首の長さは大入鑿よりやや長い。首の長さは1寸8分前後である。構造材、造作材いずれにも使用する。刃幅は1分〜1寸6分が普通。

5.大入鑿
おいれのみ

穂先の厚みは比較的薄く、穂先・首の長さはともに短い。首の長さは1寸5分前後である。主に小細工仕事に使用する。刃幅は1分〜1寸6分が普通。

6.向う区鑿
むこうまちのみ

穂先の厚みは厚く、刃幅は狭く、長方形の断面をしている。穂先と首の幅の差がなく、ともに長く頑丈に作られている。主に建具のほぞ穴を掘るのに使用するので建具屋鑿ともいう。刃幅は5厘〜6分が普通。

7.二本向う区鑿
にほんむこうまちのみ

向う区鑿で穂先が二股に分かれているものをいう。刃幅はほぼ一定で刃と刃の間が1.5分、2分、2.5分のものがある。建具の二枚ほぞの穴を同時に間隔を正しく掘ることができる。刃幅は2分が普通。

8.裏丸鑿
うらまるのみ

穂先の断面は裏側が円孤状で、刃先は丸く曲線状になっている。曲面を削るのに使用する。刃幅は1分〜1寸2分が普通。

9.壺丸鑿
つぼまるのみ

穂先の断面は裏側が円孤状で、刃先はほぼ一直線状をしている。曲面を仕上げるのに使用する。刃幅は3分〜1寸が普通。

 
  • ※ 本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第2号-鑿篇-』の解説を抜粋したものです。
  • ※ 品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。
  • ※各資料写真の縮尺は一致していません。

墨掛道具

罫引

雑道具