大工道具の紹介

[kanna]

かんな

6面取鉋

1.外丸鉋・内丸鉋

台の下端が外側に湾曲したものを外丸鉋と呼び、凹型の曲面を削るのに使用する。台の下端が内側に湾曲したものを内丸鉋と呼び、凸型の曲面を削るのに使用する。鉋刃の刃先も台と同様の円弧状になっている。円弧の種類によって深丸(外丸、内丸とも)、軸丸(外丸)などがある。

左より外丸鉋、外丸鉋(軸丸・裏)

左より内丸鉋、内丸鉋(裏)

2.反り台鉋

平鉋の刃を、平鉋をやや小型にして側面が外側に湾曲するように反らせた形の台に仕込んである。大きく湾曲した面を削るのに使用する。反り台鉋で、しかも外丸になっているものを四方反り台鉋、内丸のものを舟底鉋と呼ぶ。これらには小型のものが多い。

左より反り台鉋、反り台鉋(側面)、四方反り台鉋(裏)、舟底鉋(裏)

3.各種面取鉋

角材や板材に各種の刳形を削る、すなわち面取りをするのに使用する。さまざまな面をとる必要から、種類も多い(図9)。台の下端を必要な面に合わせて作り、この面と同様の刃先に研いだ刃を仕込む。おもに角の部分を削るのに使用するものには、作業中の台の揺れを防ぐための定規がつけられている。定規には、下端の両側に、材の角をはさむ三角形の定規が固定されたものと、可動式で面の形が調節できるものとがある。複雑な面をとるために、刃を二丁仕込んだものもある。

図9 代表的な面取鉋

左より、せめ鉋(裏面)、面取鉋-剣先面(・裏)

左より、面取鉋-几帳面(裏)、面取鉋-平几帳面(裏)

左より、左より、面取鉋-坊主面(裏)、面取鉋-銀杏面(裏)、面取鉋-瓢箪面(裏)

左より、面取鉋-自由角面、面取鉋-自由猿頬面(裏)、面取鉋-角面・猿頬面兼用(裏)

左より、面取鉋-胡麻柄面(裏)、面取鉋-引掛面、面取鉋-入子面(裏)

左より、面取鉋-片紐面(裏)、面取鉋-両紐面(裏)

左より、面取鉋-組子面、面取鉋-組子面(裏)、面取鉋-二丁掘変形面、 面取鉋-変形面(裏)

左より、面取鉋-隅丸横削り、面取鉋-隅丸横削り(裏)

左より、面取鉋-隅丸瓢箪面(裏)、面取鉋-坊主面(裏)、面取鉋-兼用坊主面(裏)、面取鉋-平坊主面(裏)

  • *本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第4号-鉋篇-』の解説を抜粋したものです。
  • *品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。