コラム:縦挽きと横挽きの違い

縦挽きの目
縦挽きの鋸目(歯の型)は左図のようになっていて、歯先で木の繊維を削り取るつくりになっています。ギザギザ状の溝はおが屑を運び出す役目を果たしています。裏刃と上刃の角度(切刃角度)および歯先線と裏刃の角度(切込角度)は切断する材の硬軟によって異なります。軟らかい材の場合には切刃・切込角度ともに鋭角にし、硬い材の場合は逆に鈍角にします。表刃、裏刃の面は一般に鋸刃に対して直角になるように仕上げます。各歯は先端が左右に振り分けられていて(アサリ/歯振)、材に挟み込まれるのを防ぐつくりになっています。

横挽きの目
横挽きの鋸目は左図のように、上刃・裏刃の表が鋭利に削られており(ナゲシ)、小刀のように木の繊維を切断するつくりになっています。各歯は交互に左右に向かい合って並んでいます。また縦挽鋸と同じくアサリをつけます。 鋸目にはいくつかの種類があります。簡単なつくりの茨目に対し、江戸目は図の様に先端をさらにヤスリですりおろし上目をもうけたものです。



 
  • ※ 本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第1号-鋸篇-』の解説を抜粋したものです。
  • ※ 品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。

墨掛道具

罫引

雑道具