1.脇取鉋・ひぶくら鉋

溝の側面を削るのに使用する。刳(くり)小刀のような鉋刃を、刃先が台の側面に出るように仕込んであり、使用方向によって右勝手、左勝手の二種類がある。台の断面は、上端をやや広く丈夫にし、段をつけて下端の方をしだいに狭くした形になっている。下端が幅狭の平面になっているものが脇取鉋で、幅のある溝の側面を削るのに使用する。下端の面が残らないほど細くなったものをひぶくら鉋と呼び、細い溝の側面や、細かい入隅などを削るのに使用する。



▲ 図7 脇取鉋



▲ 図8 ひぶくら鉋



▲ 左より脇取鉋(右勝手)、脇取鉋(左勝手)



▲ 左よりひぶくら鉋(右勝手)、ひぶくら鉋(左勝手)

2.二徳鉋

際鉋と脇取鉋の両方に使用できるように台を段欠きした鉋で、右勝手と左勝手とがある。二種類に使えることからこう呼ばれる。



▲ 左より二徳鉋(右勝手)、二徳鉋(右勝手・裏)、二徳鉋(左勝手)

3.五徳鉋

断面が凸型の台に、凸型の刃を仕込んである。平鉋、左右の際鉋、左右の脇取鉋の五種類に使えることからこう呼ばれる。



▲ 左より五徳鉋、五徳鉋(裏)

 
  • ※ 本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第4号-鉋篇-』の解説を抜粋したものです。
  • ※ 品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。

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