錐[kiri]
きり
きり
錐は一見簡単に使える道具と思われがちですが、昔から「一錐、二鉋、三釿」といって道具使いの難しさを表現したことからもわかるように、正確な位置に必要な大きさの穴をあけるためには繊細な注意が必要とされます。
錐は刃先に回転運動を与えることによって材料に丸い穴をあける構造になっています。用途や使う材料によって刃先に各種の形状があります。また柄も直接手のひらで揉むものとそれ以外の仕組みを利用するものに大きく分けられます。
わが国では伝統的に釘穴をあける時などに手揉み錐を用いてきましたが、明治に入り洋風建築とあわせてボルトを用いた接合法が導入されると、ネジの形をしたボールト錐が使われるようになり、これによって太くて深い穴があけられるようになりました。