雑道具[zatsu-dougu]
ざつどうぐ
ざつどうぐ
釘抜には、エンマとカジヤ、バールの三種類があります。 エンマは、ヤットコ状のもので、釘の頭が表面に出ている時、その頭の下を挟んで引き抜く道具です。断面が四角形の和釘は、平らに叩き伸ばしたものを折り曲げただけの頭をしており、引っ掛けて抜くことはできません。そのため、エンマを使用します。釘を挟む丸く湾曲した部分が、テコの支点となります。釘が長い場合や、深く入っている際には、その湾曲した側面に当て木をしてテコの原理で引き抜きます。
握りの片方は平らに伸ばされていることが多く、解体作業などで材をこねてはがしたりする時に使用されます。地獄の閻魔(えんま)大王が、罪人の舌を抜く時に使用するとされることから、この名があります。
カジヤは、両端が釘を挟み込むように二つに割ってあります。その割れ目に釘の頭を引っ掛け、エンマ同様テコの原理を利用して抜きます。バールは、長い柄の先が、平らに伸ばしてあります。この平らな部分は、釘留めされた部材間に差し込んで、部材をはがすなどの解体作業にも使用されます。釘が完全に部材の中に打ち込まれている時には、二つに割れた先を釘頭の下に打ち入れて使用します。釘が長く抜きにくい時などは、L宇部分の下に当て木をしたり、玄能を当て木代わりに用いて使用することもあります。
釘の頑を部材に沈めたり、金槌が入りにくい場所の釘打ちなどに使用します。細くなった先を釘の頭に当て、金槌で打ち込みます。先端の断面には、角と丸の二種類があります。角型のものは、丸型より長めで長押の釘打ちに使用します。 丸型のものは、通常の釘締作業に使用します。また、尻の先がL字に曲り、カジヤ型の釘抜になっている二徳釘締もある。二徳両口釘締は、釘抜ではなく短い釘締になっていて、隅の床張り等の狭い場所で使用することができます。
釘締の使用法