コラム:研ぎの方法

鉋刃の切刃が磨滅して裏刃先部分の平滑面がなくなった状態を裏切れ(うらぎれ)といい、裏刃先部分に平滑面を作り出すことを裏出し(うらだし)という(①)。 また鉋身を金盤と金剛砂を用いて、平滑な刃裏に研磨することを鉋の裏押し(うらおし)という(②)。裏押の過程で裏刃先部分が金盤に均等に当たらない場合は、裏出を行う。 切刃を研ぐ場合、鉋身を右手で固くつかみ、左手をそえて、切刃を砥石面に密着させる。切刃角度は、荒砥石および中砥石を用いておおよそ30°に整えるが(③)、軟かい材の場合は少し鋭角に、硬い材の場合は少し鈍角にすることがある。刃の裏にざらつき(かえり)が出たら仕上砥を用いて刃の表と裏を交互にかえりがなくなるまで研ぐ。


①裏出 かなとこ ②裏押 金盤 ③切刃の研磨 中砥石 ④裏刃の研磨 仕上砥石

 
  • ※ 本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第6号-槌・斧・釿・その他の道具篇-』の解説を抜粋したものです。
  • ※ 品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。

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